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英語の勉強法

TOEICで「突破」を引き起こす2つのポイント

日本語を活用した英会話習得法
「TOEICで「突破」を引き起こす2つのポイント」視点の転換がすべてを変える
著者:池田和弘(大阪観光大学教授)

日本では、今でも英語で苦労している人が圧倒的に多いです。そして、ありがちな例として、焦ってあれやらこれやらに手を出して、結局どこにも行きつけないというパターンがあります。とくに語学は、いわば「太刀筋」の見えにくい学習で、何をどうすれば力が付くのか分からない、本を読んだり、サイトを見たり、教材を試しても、なかなか「こうすれば良い!」という確信が持ちにくい、というやっかいなところがあります。

ある程度こうすれば良いという感触を持って勉強していても、なぜか効果をなかなか実感できず、せっかく良い切り口でアプローチしているのに中途半端なところでそれをあきらめる。このような例が起こりやすい――それが語学というものです。
 

「テスト」を忘れる

英語に対してブレークスルーを引き起こすには、まずとにかく一度「テスト」というものをきれいに忘れることが大切ですなぜなら、テストというのは、往々にして、トラウマになるケースがよくあるからです。

本来、テストというものは、「テストがあるから頑張りたい!」と、学習者を前向きな気持ちにするためのツールです。また、その気持ちが続くようなものでないといけません。ところが、その逆になるケースが多々あるわけです。

そのもっとも大きな理由は、「実力型のテスト」(proficiency test)のみが社会的に唯一認められたテストだという点です。「実力型のテスト」というと聞こえが良く、私たちも「それこそがテストのあるべき姿だ」と思いがちですが、ここが大きな落とし穴で、このタイプのテストの場合、「これをこうすれば必ず成果が出る」「努力がストレートに結果として現れる」ということがありません

その代表がTOEICです。これは何もTOEICがおかしなテストだという意味ではなく、「実力を測る」という目的をもったテストを、私たちが勝手に誤解して、適切な練習もせずに(=実力を養成せずに)いきなり「障害物レース」に出場するような無謀なことをしがちなのです。

たとえば、「とにかくTOEICの問題をたくさん解けば良い」「どんどん受ければスコアは上がる」などというアドバイスを聞いたり目にしたりすることがありますが、これは絶壁の淵に立っている人に対して、「本当のことを教えてあげよう。じつは君は飛べるんだよ。自分を信じてやるんだ!」と檄を飛ばしているようなもので、当然ながら120%、確実に墜落(失敗)します。墜落する角度によっては、4メートル(スコアにして40点ぐらい)は前方に着地(というか激突)するかもしれませんが、こんなことを2度3度とやると、ほぼ確実にトラウマになり、心が萎縮して学習は崩壊します。

どこかのサイトで、1カ月に1回のペースでTOEICを受けさせている会社があるというような記述を見かけたことがありますが、おそらく死屍累々たる結果になっているはずです。これは決して笑い事ではありません。ネガティブなインパクトを受けると、それは業務や、その他さまざまなところに悪い影響を及ぼします。しかし、一方で、そのような無茶な要請が出るのも、それだけ英語の事情がひっ迫しているということだという点も見落とすべきではないでしょう。

いずれにせよ、一つの目標として、TOEICを設定することには何の問題もありません。しかし、そこにダイレクトに行こうとするところに問題があるのです。そこで、「一度テストを忘れよう」ということになるわけです。
 

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足元を確認する①:語彙

では、一度テストを忘れるとして、その後どうすれば良いのでしょうか。その答えは「足元を確認する」ということです。テストを忘れるようにと言っておいて恐縮ですが、一度TOEICのpart6、長文穴埋めの問題を、選択肢を含めて全部見て下さい。問題を解くのではありません。見るだけです。そして、分からない語彙がいくつあるか数えて見て下さい。

もし、単語・熟語を含めて、分からないものが10語あると、これはもう完全にレッドランプです。何も悩むことはありません。あなたのやるべきことは明白で、語彙を強烈に増強すること、ただそれだけです。

これはかなり知られていることですが、TOEICに対処するまず第一の、そしてもっとも効果的な方法は、語彙を増やすことです。なぜなら、TOEICは、その内容自体は普通の社会人ならだれにでも容易に理解できるものだからです。百聞は一見にしかず。これについては、一度、解答・解説の和訳を読んでみて下さい。

では、語彙はどう増やせば良いのでしょうか。これについては、世の中にはさまざまな書籍が出回っていて、今更私がどうのこうのという事もないのですが、もっとも多くの人が、もっとも高速・確実に覚えることのできる方法は、「和文の中に英単語を入れ込む方法」です(※)。

(※)世間的に分かりやすく言うと、ルー大柴さんの「ルー語」方式ということになります。ルー大柴さんと私の間には何の接点もありませんが。
私の知る限り、この方法を真正面から実現している書籍は2冊しかありません。私も、この2冊を大学で学生たちに使わせていますが、アンケートを行うと「覚えやすい」「わかりやすい」という評価が、文字通り、数珠つなぎ状態になります。ちなみに、彼らはどちらかというと、英語が苦手な学生たちです。

 

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実は、この日本語を積極的に活用するという手法は決して新しいものではなく、なるべく日英を関連づけようと、さまざまな出版社、著者が過去30年間ほど工夫をしてきています。しかし、私が見る限り、①中途半端、もしくは、②英語がある程度できる人にしか効果がない、と思われます。

その点、日本語の中に英単語を入れてしまう方法では、当たり前のことですが、日本語がわからないということは有り得ないので、その意味の流れにのって超高速で覚えることができるわけです。実際の話としても、私たちは日々の生活の中で、すでにルー語を話しています。「あのアプリ(app)、ダウンロード(download)したよ」と言ったように。

しかし、先ほど私が触れた2冊の単語集も、その威力はともかく、書籍のページ数他の制約や製作費などの制約のため、収録語数が完全とは言えません(これは、どの書籍にも当てはまることですが)。そこで、ここで究極の提案をすると、たとえばTOEICの公式問題集を丸ごと2冊程度、全部この方法で単語集にしてしまうわけです。

念のためもう一度確認すると、TOEICの和訳を見て内容が理解できないなどということは有り得ません。文字通り、一瞬で読み取れます。英文で言えば、250語/分ぐらいで読めるわけです。これはTOEICでいうと、950~990点レベルです。そこに英単語を入れ込むわけですから、書いてある内容とともに、あっという間に頭に入ります。そこはもう「多義語」がどうだとか、「これがよく出る単語だ。注意しよう」とかいった次元の話ではなく、「日本語を読む速度で英単語が覚えられますが、それで何か問題がありましたっけ?」という世界なわけです。ほとんど日本語を読んでいる感覚なのでストレスもありません。

これに集中すれば、公式問題集を「全部」見て、分からない単語や熟語が10~20語程度になるのにかかる時間はせいぜい半年~10か月程度でしょう。そして、それを達成したときには、それまでとはまったく異なる、「清々しい世界」があなたの眼前に広がっているはずです。

公式問題集は、もっとも本番の英文に近いわけですし、そもそも英文と和訳、さらには音声がそろっているわけですから、語彙を増強したあとに、以下に述べるトレーニングや音読など、あらゆる訓練が可能で、論理的にはベストの素材であるということになります。
 

足元を確認する②:文構造

さて、語彙に続く確認ポイントが「文構造」です。これも結構見落としている人が多いのですが、アカデミックな英文に比べると、TOEICの英文は、そのほとんどがとても素直でシンプルです。では確認ポイントが何になるかというと、それは①主語(S)、②動詞(V)、③SV詞の3つを確実にマークできるかということです。これが正確にマークできないと、英文は読めません。逆に、これを高速でマークする練習をすると、速読力は格段に上がります。

なぜなら英語は「SVの言語」だからです。

さて、ここで奇妙な言葉が出て来ました。「SV詞」です。

これが何かというと、その名の通り「主語(S)と動詞(V)を含む説明を付け加える語句」です。今触れたように英語は「SVの言語」ですので、S、VとSV詞をマークすると、構造は明快に分かるのです(※)。

(※)SV詞には、従位接続詞や関係詞、さらには(謎の語である)「同格のthat」など、あらゆる語句が含まれます。つまり、これらの語彙を包摂する最上位のカテゴリー名ということになります。
TOEICでは、まず「受信」(内容を理解すること)が重要ですが、「受信」の場合には、「発信」の場合と違って、元から「文法的に正しい英文」が目の前にあるわけですから、いちいち細かい文法分析を行う必要がありません。「最低限の分析+語彙力」で、意味は明快に分かります。たとえ、will have doneとかhad doneなどのやや難し目の文法が苦手でも、前後の「圧倒的な文脈」の中で、自然に理解できてしまいます。

まずその感覚でつかんでおいて、改めてこれらの文法を調べると、(ややこしい解説を読んで)一から理解するよりもはるかに、速く深く理解できます。

<補記>
英語が苦手な人に対して、「中学英語から学習しなおせば良い」ということがよく言われます。これはある意味で真実なのですが、それはイコール、「中学レベルの英文を読みなさい」とは必ずしもなりません。たとえば、私はこの夏、高1~高3の、ごく普通の高校生6人に対して本年度の京都大学の和訳問題(文系)の解説を行いました。タイトルは、「中学文法で読み解く京都大学の和訳問題」です。その内容はというと、その名の通り、中学レベルの文法を使い、上の2点に少しばかりのプラスα(「英文法をシンプルに斬る!」「英語の見方が変わる秘密の鍵」参照)を加えた程度でした。しかし、アンケートには「とても分かりやすかった」という言葉が並んでいました。なぜこんなことが出来たかというと、英文の内容が、「日本語的にいって彼女たちに理解可能」だったからです。つまり、京都大学レベルの高等な英文であっても、日本語で理解できる内容であれば、上記2点プラスαで読み取れてしまうのです。「いわんや、TOEIC程度をや」です――ぜひこの点を忘れないでおいて下さい。

英語にかんする限り、私たちの能力は30%程度しか引き出されていません。これはとても残念なことです。このコラムでは、どうすれば残りの70%の能力を発揮できるかについて、日本語を活用するという手法を中心にさまざまな観点からお話していきます。

参照: 日本語を活用した英会話習得法
「TOEICで「突破」を引き起こす2つのポイント」
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/15/093000004/091800068/


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