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英語の勉強法

日本語の中に“カタカナ英語”を混ぜる【コラム(1)】

日本語を活用した英会話習得法
「日本語の中に“カタカナ英語”を混ぜる」
英単語は少しの工夫で飛躍的に覚えらえる
(この記事は日経ビジネスオンライン 2015年10月3日に掲載された池田和弘氏のコラムです)

 

私は仕事柄、バイリンガルの人たち、つまり英語と日本語の両方を話せる人たちと話すことが多くあります。
そのとき面白い事が起こります。
会話は、取りあえず日本語から始まるのですが、だんだんと話に熱が入ってくると、英語が交じり始めるのです。

「それで、広いbeachを一人で歩いていると、なんだか、
Oh, I’m part of nature(自分は自然と一体なんだ)みたいになって」
「それ、分かる。 Had a similar experience(似たような体験をした)」

 

彼らは、別に意識して交ぜようとしているわけではありません。
伝えたいと思ったときにピタリとはまるのが、たまたま英語だったというだけの話です。
はたから見れば、文字通り、“はた迷惑な話”で、どちらかにして欲しいということになります。
ただ、このように2つの言葉を行き来しながら話すと、英語だけあるいは
日本語だけでは伝え切れない点がスパッと通じる気持ち良さがあるのです。
この例の場合だと、haveを使って体験を伝える感覚が気持ち良いわけです。

さて、いくら気持ち良いといっても、やはり日本語に英語を混ぜるのは奇抜な感じがするかもしれません。
ところが、実は私たちの多くが、無意識のうちにすでにそういう話し方をしています。
「ファイルをダウンロードした」「面白いアプリをゲットした」などと話したことはありませんか。
そう、私たちは英語を話すのが苦手だと言いながら、何気に英語交じりの、日本語を話しているのです。

これは単なる「カタカナ英語」だという人がいるかも知れません。
確かに、発音や語順などの問題はあります。
しかし、これらの「カタカナ英語」はほとんどが正しい意味で使われています。
ですので、もう一歩踏み込めば、すぐに話す力につながり、
流暢とまでは言えなくても、確実に通じる英語を口に出して言うことができるようになります。

さて、このように考えてよく見渡すと、私たちの周囲には驚くほどたくさんの
「使えるカタカナ英語」があります。
しかも、私たちはそれを、特に苦労することもなくほとんど無意識に覚えてしまっています。

ここに「話せる」ようになるためのとても大切なヒントが隠されています。
例えば、意図的にまだカタカナ英語で使われていない日本語をカタカナ英語に変換するとどうなるでしょうか
「この件はテーブルしよう」といった具合に。
この場合、テーブル(table)というのは「(いったん)棚上げする」という意味です。
文字通りテーブルの上に置くと考えると良いでしょう。
このようにすると、使えるカタカナ英語の数は飛躍的に増えます。
そして、すぐにでも使える、いわば即戦力の知識が猛烈な勢いで増えます。
単語や熟語レベルで計算すると、1日20分程度の学習で1か月に500語ならまず大丈夫です。
そのぐらい高速で確実に頭に入ります。

「この部品は、日本でマニュファクチャー(manufacture、製造)されています」
「今回の問題については、少しインベスティゲーション(investigation、調査)が必要だ」

 

どうでしょう。
今まで覚えられなかった単語でも、日本語の中に交ぜてしまえば、覚えられるような気がしませんか。

このようにして基礎となる部分を短期間で大量に準備しておくと、
あとの作業はとても楽になります。
私たちは、つい「英語は英語で……」と考えがちですが、
このように日本語をうまく利用すると、無理なく自然に英語が話せるようになります

もし、英語を英語で学ぶことが大変で、なかなか成果を感じることができないのなら、
日本語を利用して英語を学んではどうか

―― それが私のアドバイスです。

そして、今回のコラムのタイトル「日本語を活用した英会話習得法」にも、この思いを込めました。
もちろん、最終的には英会話を習得するのが目的ですから、
日本語しか使わないわけではありません。
ただ、日本語を流暢に話せる日本人だからこそ、それを生かした英会話習得方法がありますので、
その秘訣を読者の方にお伝えしようと思います。

 

日本語だからネットワークがつながる

そうは言っても、「本当に日本語を使って英会話ができるようになるのか」と、
胡散臭く思われる方も多くいるのではないでしょうか。
まずごく簡単に理論的な背景を教えましょう。

もし、本当に英語と日本語が全く異なる言葉で、重なる部分が無いとしたら、一体どうなるでしょうか。
この2つの言葉の間でコミュニケーションができなくなります。
つまり、翻訳や通訳ができなくなります。

しかし、実際には、私たちは言葉の壁を越えてコミュニケーションを取っていますね。
つまり、英語と日本語には重なる部分、共通点があるのです。
そこに目を向けると、英語に対する感覚が変化し、それまで想像もしていなかった世界が広がります。

日本語を活用する利点は計りしれません。
まず、何と言っても凄いのが、苦労しないで強力な記憶が起こるという点です。
よく記憶力がないから語彙も増えず、英語も話せないと嘆く人がいますが、
大抵はその潜在能力の引き出し方を知らないだけです。
先に1か月に500語という数字を出しましたが、人間はごく普通の人でもそのぐらいの記憶力を持っています。

それが最もよく分かる例が“映画の記憶”です。
映画というのは、2時間の長さのもので2GB前後の情報量があります
これは本に換算すると100冊にもなります。
しかし、感動するような映画を見たとき、私たちはたった1回だけで、
映像・音楽はもちろんセリフに至るまで、驚くほど良く記憶しています

その証拠に、誰かと一緒に見に行ったような場合には、
あとで喫茶店などに行って、ああだこうだと長話になるものです。
これが、人間の潜在的な能力なのです。

なぜこのような記憶能力が発揮されるかというと、映画にはストーリー性というものがあるからです。
つまり、情報が関連付けられてつながっているからです。
人間は8592231932156……といったように数字などを
機械的に記憶するのは苦手ですが、映画のようにストーリー性のあるもの、
ネットワーク的につながった情報の記憶になるとコンピュータ以上に得意です

―― これをネットワーク記憶と呼ぶことにします。

日本語を利用すると凄いことが起こるのは、私たちの頭の中にある
「日本語の巨大なネットワーク」が起動され、ネットワーク記憶が起こるからです。

日本語を活用する2つ目の利点、それは流れに乗せて英語を使う練習ができるということです。
日本語をはさむようにすれば、語彙でも文章でも、自分がまだうまく出来ない点を
避けて、出来そうな点のみをテンポよく練習していけます。
これが初めから全部英語で…となると、身も心も固まってしまい、なかなか思うように学習が進みません。

例えば、テレビゲームについて会話をしていて、
「そういえば、テレビゲームにはまってしまう子供が多いらしいね」と言いたいとします。
このとき、「テレビゲーム」を英語ではvideo gamesと言うという点までは分かっていて、
「はまる」をどう言うのか分からないとすると、
そのまま「video gamesにはまる子供が多いらしいね」と喋るわけです。
このようにすると、流れに乗せて英語を使っていけます。
相手は、「そうだね。We need some regulationsだと思う」と
切り返してくるかもしれません。
こういう相手がいると、お互いに「今、いい表現を使ったなぁ」
「そういう表現があった」などと思いながら、
軽く遊ぶような感覚で英語に慣れていけます。
これが、いきなり全部英語となると、あちこちでつまずくことになり、
やる気がなくなってしまいます。

 

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「英語の発想」は日本語を使う方が理解しやすい

日本語を活用する3つ目の利点、それは日本語で考えるようにすると、英語の発想がよく分かるということです。
私たちは英語と日本語は発想自体が違う、だから英語は英語で学ばないといけない
と考えるわけですが、これは話が逆です
発想が違うからこそ、日本語で学ぶ方が分かりやすいのです。

例えば日本人は、workという動詞がなかなかうまく使えません。
発想に違いがあるからです。
workの訳として「働く」を覚えている方は多いと思います。
ところが、英語のworkはそれ以外にも
「計画などが働いてくれる→計画などがうまくいく」というように拡張されて使われることがよくあります。
例えば、「I think this plan will work.」(この計画はうまくいくと思う)のように使われます。

また、part は「部分」として理解されていますが、英語では何かの「一部分」
という意味で使われることも多くあります。
先の「I’m part of nature.」(自分は自然の一部分だ→自分は自然と一体だ)もそうですし、
「I’m part of this plan」(私はこの計画の一部分です→私はこの計画に関わっています)などもそうです。

面白いのは、このようにして日本語で考えると、普段意識していない点にも気づけるという点です。
例えば、日本語では企画などの全体像を描くことを「絵を描く」と言いますが、
英語でもpictureは似たような発想で使われます。
「I’m getting the picture」(絵をゲットし始めている→話が分かり始めている)などがそうです。
日本語に交ぜると、「なるほど、pictureが見えてきた」とか
「pictureが分からない」とかいった具合になります。
このようにすると、ちょっとしたドキドキ感もあり、楽しく学習を進めることができます。

また、日本語を利用するということはネットワーク記憶が働くということですので、
1か月に200程度のニュアンスの違いであれば、
何の問題もなく身に付けることができます。
本来、発想やニュアンスの違いというのは、実際に英語を使った生活を
数年単位でしないと身に付かないものです。
ですから、これだけの短期間に、これだけの数をカバーできるというのは
凄いことで、あなたの会話力は根底からパワーアップされます。

次回は、リスニングとスピーキングを区別するなど、
会話力を早く確実に習得するコツについて、さらに詳しく説明していきたいと思います。

 

参照: 日本語を活用した英会話習得法
「日本語の中に“カタカナ英語”を混ぜる」
英単語は少しの工夫で飛躍的に覚えらえる
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/15/093000004/093000001

 

著者: 池田 和弘(いけだ かずひろ)
大阪観光大学国際交流学部教授
京都大学卒業後、通訳養成学校を経て、専門学校や予備校での教鞭、執筆活動を行う。
ベストセラーを記録した著書は数々。その後、大阪大学大学院言語文化研究科にて、
理論的ベースを固め、同大学工学部工学研究科で原子力、ナノフォトニクスの
ESPプログラムを開発・実施。「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、
レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など
最新の知見を駆使して、「言語学×脳科学」の視点から学習教材を開発できる
日本有数の英語学習法のスペシャリストである。

 


◇主な著書

『こうすれば速く覚えられるTOEICテストの英単語』(日本実業出版社) 2010

 

『英語がスラスラ分かるようになる魔法の本』(日本実業出版社) 2009

 


◇開発教材

★ 初心者向け「聞けて話せる」実践英会話教材 ★【リッスントーク】

リッスントーク

 

 

 

 

 

★ 超初心者向け「話せる」を実感できる英会話教材 ★【スピークエッセンス】

se-01

 

 

 


◇【マスコミからも注目! 最近の掲載記事】

なぜ英語を「話せない」?たった7カ月で英語が話せる画期的教材!既存教材の盲点克服

2015年3月 ライブドアニュース 

http://news.livedoor.com/article/detail/9950712/

英語得意に

2015年4月 産経新聞 

http://kazuhiroikeda.com/blog/post-1069.html

●ラジオゲスト出演

2015年5月 ラジオ関西 「三上公也の情報朝イチ!」 

https://www.youtube.com/watch?v=j9vhKSNBHp8

“大人の日本人”に合ったストーリー式英単語記憶法

2015年6月 ダイヤモンドQ 

http://kazuhiroikeda.com/blog/post-1134.html

TOEIC満点でも英語が話せないのはなぜ? 言語学者がたどり着いた英会話学習「6つの実践法」とは

2015年8月 現代ビジネス 

http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44520

英語が苦手な人必読! 「日本語で覚える英語」があなたを救う!?

2015年11月 プレジデントオンライン

http://president.jp/articles/-/16714

 

★ 2015年10月~ 日経ビジネスオンライン連載中 ★ 
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/author/15/093000040/「日本語を活用した英会話習得法」

 


◇関連リンク
池田和弘オフィシャルブログ
(http://kazuhiroikeda.com)

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