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英語の勉強法

リスニングを爆発的に伸ばす秘訣「答えを攻める」【コラム(3)】

日本語を活用した英会話習得法
『リスニングを爆発的に伸ばす秘訣「答えを攻める」』
(この記事は日経ビジネスオンライン 2015年10月31日に掲載された池田和弘氏のコラムです)

 

「英語を話せるようになりたい」
――これは、私たちにとって、なんとしても実現したいことです。

特に、インターネット上をたくさんの情報が英語で行きかう今日では、
英語が話せないと置き去りにされているような感覚さえ覚えます。
この怒涛の流れに、素早く乗り、効果的に英語を習得する有力な方法、
それがこの連載で紹介している日本語を活用した学習法です。

 

語彙もニュアンスも高速で習得

連載の第1回では、今まで覚えられなかった単語でも、
日本語の中に混ぜてしまうと格段に覚えやすくなることをお話ししました。
これは日本人の苦手な熟語に関しても同じことです。

例えば、

「健康のためにヨガのクラスにsign upしたよ」
(sign up:申し込む)

とすれば、熟語の意味がすっと頭に入ってきます。

さらに、

「その点は確かにproblemではあるけれど、issueじゃないと思う」
(problem=問題そのもの/issue=問題の中でも議論の対象になっているもの)

といったようにすると、
英単語の微妙なニュアンスの違いも、素早く的確につかめます

英語だけで学ぼうとすると、このような違いが分かるには数年単位の時間がかかります
このようにして、日本語を活用して語彙やニュアンスの違いに関する知識を増やすと、
強固なベースができ、英語力を短期間で飛躍的に伸ばせます

 

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リスニングとスピーキングを区別して学習

さて、では英語を話せるようになるためにはどうすれば良いのでしょうか。
ここでまず大切な点は、「リスニングとスピーキングを区別する」ということです。

英語を話せるようになりたいというのは、
つまり英会話ができるようになりたいということですが、
英会話は、「リスニング」(聞き取り)と、「スピーキング」(話す)の2つの能力
から成っています

リスニングは相手の言ったこと受け取る能力、
スピーキングはこちらの意図を伝える能力で、
これらは全く異なった能力です。

ですから、この2つをしっかりと区別し、それぞれにあった学習法を行わないと、
英会話力はなかなか伸びません

では、まずリスニングの学習法から考えて見ましょう。
なぜリスニングからかというと、相手の言っていることがある程度聞き取れると
心に余裕ができて、話せないなりに、知っている単語や表現を使って
何とか対応ができるからです。
反対にリスニングが弱くてよく聞き取れないと、焦ってしまい、
使えるはずの表現さえ使えなくなります。

そもそもなぜリスニングは難しいのでしょうか
最初の理由は、まず聞いた後からどんどんと音は消えてなくなるということです。
リーディングであると、分からないところはゆっくりと見直すことができますが、
リスニングの場合にはそうもいきません。
つまり、頭から瞬時に意味を取る力が必要です。
でも、英語と日本語は語順が違うので、これはそれほど簡単なことではありません。

2つ目の理由は、音がつかめないということです。
ネイティブはだいたい200語/分ぐらいの速さで話しますが、
これは、いってみれば新幹線が目の前を走るその一瞬に、
窓側の席に何人座っていたかを答えるようなものです。
普通の人にはただ頭の上を音が流れさっていくようにしか聞こえません。

3つ目の理由は、そもそも語彙が不足していて、
たとえ元になっている英文を目で読んだとしても意味が分からないということです。
例えば、

「We think this idea is great, but the catch is no one knows how to pull it off.」

というような 中学英語の単語の羅列に過ぎないような英文でも、単語や熟語、
そして英語的な言い回しに慣れていないと理解できません

ところが、これらの問題を一気に解決する方法があります。
それが「答えを攻める」という学習法です。

私たちは、何でもかんでも“テスト対策”という発想で考えがちですので、
リスニングの学習法というと、まずTOEICなどの四択問題を
思い起こす人が多いかもしれません。
でも、四択問題はテストとしてはそこそこ優れていますが、
トレーニングの方法としては、しんどくて、かつ効率の悪い方法です。
そもそもリスニング力を高めるのに問題など解く必要がありません。

 

「答え」の攻め方

では、「答えを攻める」というのはどういう方法なのでしょう。
それは、「英文の構造や意味をしっかりとつかんでから英語を聞く」という方法です。
そう、常識的な方法とは真逆です。
「そんなの聞き取れて当たり前じゃないですか」と、よく言われます。
その通りです。
「当たり前」です。
でも、だからこそ無駄がなく、効果的なのです。

例えば、上であげた英文の例であると、まず、その全文訳を日本語で確認します。
後半だけを扱うと、「問題は、どうしたらうまくやれるか誰も知らないということだ」
ということになります。

そして、そのあと、この訳のイメージを頭においたままの状態で、

the catch is(問題は)/ no one knows(誰も知らない)/
how to pull it off(どのようにしてそれをうまくやるかということ)

といったように、頭から順々に意味を確認します。
このとき、英文の区切り方を、不自然にならない程度で、できるだけ短くするのがコツです。
区切り方が長いと、英語の語順で意味を取る力がなかなか身に付きません。

さて、このようにして、全文訳と区切り訳を交互に確認すると、
英文の構造を理解しつつ、頭から、英語の語順で意味をつかめるようになります
そのタイミングで音声を聞き、「文字の通り」に聞こえるかを確認して下さい。

このとき、音声が速過ぎると、文字を見ていても確認ができませんので、
そのようなときにはしっかりと聴き取れる速度にまで落として下さい
ためらっては駄目です。
今私たちがしていることはトレーニングです。
テストではありません。

あなたは、何の準備も無しに、いきなりフルマラソンを走らされたらどうなりますか。
倒れますね。
英語学習の世界では、このパターンで倒れた人、
息絶え絶えになっている人がたくさんいます。
トレーニングとテストは違います
しっかりと区別して下さい
トレーニングでは、「何をしようとこちらの勝手」です。

さて、速度を十分に下げると、文字と音声が一致してきますので、
それができたら徐々に速度を上げていき、元の速さにまで戻して下さい
そこで第1段階は終わりです。

次に、今度は英文を見ないで聞き取りをしてみます
このとき、もし確認した通りに聞こえない場合には、もう一度英文を見て、
どこが聞き取れないかをチェックします。
とは、できるようになるまでこれを繰り返すだけです。
これで第2段階が終了です。

これら2つのトレーニングを終えると、ほんの数分前まで
何が何だからさっぱり分からなかった高速音声が、クリアーにつかめて、
分かるようになります。
これはちょっとした感動体験です。

 

復習ではへこまずに数をこなす

さて、第3段階は復習です。
復習といっても、構える必要はありません。
何をやろうと「こちらの勝手」なのですから、気楽にやれば良いのです。
復習の方法は簡単で、前にトレーニングして聞き取れるようになっていた音声を
もう一度聞き直して、聞き取れるかを確認するだけです。

このとき大切な点が2点あります。
1つは、たとえ聞き取れなくてもへこまないということです。
人間の頭というのは、よほどインパクトのある出来事でない限り、
1回や2回で強固な記憶ができるようにはできていません。
何度か繰り返す中で徐々に固まるようにできています。
この性質があるからこそ、私たちは柔軟で創造的な思考ができるのです。
大切な点は、「徐々に固まる」のであって、忘れるわけではないということです。
日本語でしっかりと意味をおさえ、さらに速度を調節してインプットした英文は、
たとえ忘れたように感じても、すぐに感覚が戻ってきます。

2つ目の点は、軽く、数多くこなすということです。
「こなす」といっても、なんせ「答えを攻める」わけですし、
一度はきちっとトレーニングしていますので、ほんの20分もあれば
50~100文程度はカバーできます
このようにすることにより、的確なタイミングで、
効率よく、弱くなっている部分を補強できます。

どうでしょうか、必死になって聞き取れない英文を聞き、
懸命に四択問題を解くのとどちらが理にかなった方法でしょうか。
「苦しむこと=進歩」ではありません
もっと柔軟に、ダイナミックに、伸び伸びと英語をとらえましょう。
コラムの第1回でお話したとおり、英語に関する限り、
私たちの能力は30%程度しか引き出されていません
発想を変えることで、学習効果はまるで変わってきます。

今回は、英会話の学習はリスニングとスピーキングを分けるべきだ
という点をお伝えすると共に、リスニング学習のコツをご紹介しました。
次回は、スピーキングの爆発的な伸ばし方についてお話する予定です。

 

参照: 日本語を活用した英会話習得法
『リスニングを爆発的に伸ばす秘訣「答えを攻める」』
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/15/093000004/102700003/

 

著者: 池田 和弘(いけだ かずひろ)
大阪観光大学国際交流学部教授
京都大学卒業後、通訳養成学校を経て、専門学校や予備校での教鞭、執筆活動を行う。
ベストセラーを記録した著書は数々。その後、大阪大学大学院言語文化研究科にて、
理論的ベースを固め、同大学工学部工学研究科で原子力、ナノフォトニクスの
ESPプログラムを開発・実施。「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、
レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など
最新の知見を駆使して、「言語学×脳科学」の視点から学習教材を開発できる
日本有数の英語学習法のスペシャリストである。

 


◇主な著書

『こうすれば速く覚えられるTOEICテストの英単語』(日本実業出版社) 2010

 

『英語がスラスラ分かるようになる魔法の本』(日本実業出版社) 2009

 


◇開発教材

★ 初心者向け「聞けて話せる」実践英会話教材 ★【リッスントーク】

リッスントーク

 

 

 

 

 

★ 超初心者向け「話せる」を実感できる英会話教材 ★【スピークエッセンス】

se-01

 

 

 


◇【マスコミからも注目! 最近の掲載記事】

なぜ英語を「話せない」?たった7カ月で英語が話せる画期的教材!既存教材の盲点克服

2015年3月 ライブドアニュース 

http://news.livedoor.com/article/detail/9950712/

英語得意に

2015年4月 産経新聞 

http://kazuhiroikeda.com/blog/post-1069.html

●ラジオゲスト出演

2015年5月 ラジオ関西 「三上公也の情報朝イチ!」 

https://www.youtube.com/watch?v=j9vhKSNBHp8

“大人の日本人”に合ったストーリー式英単語記憶法

2015年6月 ダイヤモンドQ 

http://kazuhiroikeda.com/blog/post-1134.html

TOEIC満点でも英語が話せないのはなぜ? 言語学者がたどり着いた英会話学習「6つの実践法」とは

2015年8月 現代ビジネス 

http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44520

英語が苦手な人必読! 「日本語で覚える英語」があなたを救う!?

2015年11月 プレジデントオンライン

http://president.jp/articles/-/16714

 

★ 2015年10月~ 日経ビジネスオンライン連載中 ★ 
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/author/15/093000040/「日本語を活用した英会話習得法」

 


◇関連リンク
池田和弘オフィシャルブログ
(http://kazuhiroikeda.com)

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