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英語の勉強法

スピーキングが英語学習を変える【コラム(11)】

日本語を活用した英会話習得法
「スピーキングが英語学習を変える」

(この記事は日経ビジネスオンライン 2016年3月5日に掲載された池田和弘氏のコラムです)

 

前回は、「英語に慣れる」ということの意味を「日本語の問題」を使って説明しました。また、「英文のマスターキー」を使ってダイレクトに文意をつかむ方法についても紹介しました。日本語は私たちにとってあまりにも当たり前の言葉で、ついその意味合いを忘れがちです。しかし、少し発想を変えると、日本語は英語習得の強力な手段となります。

 

ようやくスピーキングの時代が来た・・・

これまで、いわゆる「英会話ブーム」というものが何度も来ました。しかし、そうはいっても、話はそれほど切実ではなく、「話せたらいいな」程度のものでした。それがインターネットによって一気に世界がつながり、まるで誰もが英語で話し始めているような気分がし、さらには仕事のあちこちに英語が入り始め、会話を交わす声までもが耳に入り始めると、状況は大きく変わってきました。本当に英語を話せないといけない時代になったのです。

「ようやくスピーキングの時代が来た・・・」、今の私はそういう心境です。なぜならスピーキング力を伸ばす学習方法こそが、ほかのすべての技能につながる学習方法だからです。

 

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なぜできない??

あなたもすでに感じているはずです。スピーキングは、他の3つの技能(リスニング、リーディング、ライティング)とはどこかが根本的に違うと。例えば、テストを受けるにしても、リスニングやリーディングのテストであれば、なんとかなる気がする。そこにライティングが入ってもどうにかこなせると思える。ところが、スピーキングとなると、手も足も出ない。どう勉強して良いのかもよく分からない。これが大方の人の実感だと思います。

これまでリーディング、リスニング、ライティングをしっかりやってきた。文法・語法もたくさん演習をやった。その上にまだ何か特別な練習をする必要があるのだろうか? そう思っている人もいると思います。

しかし、今も上で触れたように、「スピーキングに対応する」という視点から英語を学ぶと、4つの技能がきれいにつながり、逆に学習の負担が減って、最大の効果を得ることができるのです。

 

話せない理由①

話せない理由の1つ目は、そもそも「口を動かしたことが無い」という、ある意味で当たり前、ある意味で笑えるような理由です。日本語でさえ、例えば、普段あまり話すことのない話題を急に振られると、スムーズには口が動かないものです。ましてや、外国語である英語ともなれば・・・ということです。

なぜ話せないのだろう――それは口を動かしたことがないからだ。まるで冗談のようですが、これが実際のところです。

これまで、私たちは黙って英文を聴き、黙って英文を読み、黙って英文を書いてきました。それで何とかなったのです。ところが、スピーキングという、ある意味で“究極の能力”にチャレンジし始めて、このような方法が通用しないということが明らかになってしまったのです。

 

話せない理由②

頭が膨らみ過ぎている・・・文法解説で。動名詞、現在分詞、後置修飾、仮定法過去(事実に反する仮定)―――私たちの頭の中は、こういった多数の用語と、あれをしてはいけない、これをしてはいけないという規則で埋め尽くされています。

これがスピーキングでは大変なことになります。なぜならスピーキングというのは、いわば“瞬間芸”で、思ったことがタイムラグ無しに、ほぼ瞬時に口から出てこないといけないからです。つまり、ルールについて考えながら英文を作るヒマ、英作をしている時間がありません。例えば、あなたは、中学校1年生で習う「三人称単数現在のs」を使おうとして口が動かなくなった経験はありませんか。いや、それより以前に、書くときにさえ、意識していてもつい間違える、ということはありませんか。これが、文法重視の学習法の限界なのです(※)。

(※)文法をしっかりと理解し、演習してからトレーニングすると良いという考え方もありますが、これは疑問です。なぜなら、人間の頭の中では、情報はネットワーク上につながっているため、規則を知れば知るほど、必ずそれに足を取られることになるからです。文法的な知識をゼロにすることは難しいですが、少なければ少ないほど英語は身に付きやすくなります。また、途中で力尽きる学習者の数も減ります。さらに言うなら、伸びる人、努力する人は、これまでの2倍、3倍の速度で英語力を伸ばすことができます。

 

スピーキング力の6割はすでに身に付いている!

少しネガティブな話になりましたが、ここで明るい点についてお話しましょう。それは、あなたはすでに6割方、英語を話す準備が出来ているということです。

この秘密もやはり日本語力にあります。例えば、私などはサイエンス系の話になると結構口が動きますが、エンタメ系の話となるとかなり駄目です。そして、それはそのまま英語のスピーキング力にも現れます。あなたにも、そういった好きな分野・得意な分野とそうでない分野があるはずです。

さて、ここが大切な点なのですが、前者については、英語はもうすぐ手の届くところにあります。なぜなら、スピーキング力を身に付けるときに最も大切な点は、「話したいことがある」「伝えたいことがある」ということだからです。つまり、「コンテンツ」と、それを英語で伝えたいという「強い動機」です。この2つがあると、話は半分終わったようなもので、あとはそれを英語で言えるようになれば良いだけのことです。そのぐらい、この2つのポイントは学習効果に影響を与えます。

 

スピーキング力を伸ばすテクニック

実は、スピーキング力を伸ばすのに、とくに難しいテクニックは必要ありません。大切なのは、①常に日本語で意味を確認し、頭を起動した状態にしておく、②徹底的に音を真似て口に出す――この2つだけです。

①については、バイリンガルと言われる人たちの頭の中がどうなっているか知りませんが、普通の人の場合、頭の中はほぼ100%日本語で出来ています。ですので、「これを言いたい」と思った瞬間、私たちは日本語で考えています。その集中状態のところに英語をインプットすることによって、日本語の回路の上に英語の“疑似回路”を作ってしまうわけです。こうしておくと、何か言いたいと思った瞬間に、英語の回路が起動し、瞬時に情報が引き出せるようになります。つまり、「瞬間通訳」です(※)。

(※)同時通訳者の頭の中はこのようになっています。ちなみに、ある有名な通訳者派遣会社の責任者の方が、通訳者になるにはまず日本語力が大切で、中途半端に英語と日本語ができてもプロとして通用しないと言っていたのが印象的でした。やはりそうなのか、と。

②については、そっくり真似ようとすると自然に強い集中状態が起こるため、高い学習効果が現れます。人間の頭の中では、常にさまざまな情報が行きかっています。つまり雑念が生まれては消えています。普通にただ「勉強しよう」と思っても、思うように成果が出ないのはそのためです。いかにうまく集中状態を生み出すか――それが効果的な学習の鍵なのです。もちろん、そっくりに真似しようとすれば、発音やイントネーションがうまくなることは言うまでも有りません。

 

2種類のスピーキング力

スピーキング力といっても大きく2種類あって、以上お話してきたスピーキング力というのは、どちらかというと、「スピーチ力」とでも言えるものです。つまり、少しまとまりのある内容を英語で伝える力です。スピーキング力には、この他にも、いわゆる日常会話、あるいは社会生活会話とでも言うべきものがあります。例えば、「週末、どうだった?」とか、「今週の金曜、ヒマ?」とか、さらには「ミーティングが1週間繰り上がったよ」とかいったような、ベーシックな会話力です。次回は、このタイプのスピーキング力の身に付け方についてお話したいと思います。

 

文法ワンポイント

最後に、to形(不定詞)について解説してみます。to形の意味は「~する」で、to study(勉強する)、to have(持つ)、to take a vacation(休暇を取る)のようになります。これに、「英文のマスターキー」を当てはめてみましょう。例えば、「I want to take a vacation.」なら、

と理解できます。また、「I walk to stay fit.」なら、

と理解できます。さらに語句に応用する場合、例えば、「something to drink」なら、

と理解できます。

 

英語にかんする限り、私たちの能力は30%程度しか引き出されていません。これはとても残念なことです。このコラムでは、どうすれば残りの70%の能力を発揮できるかについて、日本語を活用するという手法を中心にさまざまな観点からお話していきます(※)。

(※)私は、リスニングとスピーキングを区別し、それぞれに適したトレーニングを組み込んだ「リッスントーク」という会話教材を開発しています。もしご興味があれば、一度サイトにお立ち寄り
ください。

 

参照: 日本語を活用した英会話習得法
「スピーキングが英語学習を変える」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/15/093000004/030200012/

 

著者: 池田 和弘(いけだ かずひろ)
大阪観光大学国際交流学部教授
京都大学卒業後、通訳養成学校を経て、専門学校や予備校での教鞭、執筆活動を行う。
ベストセラーを記録した著書は数々。その後、大阪大学大学院言語文化研究科にて、
理論的ベースを固め、同大学工学部工学研究科で原子力、ナノフォトニクスの
ESPプログラムを開発・実施。「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、
レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など
最新の知見を駆使して、「言語学×脳科学」の視点から学習教材を開発できる
日本有数の英語学習法のスペシャリストである。

 


◇主な著書

『こうすれば速く覚えられるTOEICテストの英単語』(日本実業出版社) 2010

 

『英語がスラスラ分かるようになる魔法の本』(日本実業出版社) 2009

 


◇開発教材

★ 初心者向け「聞けて話せる」実践英会話教材 ★【リッスントーク】

リッスントーク

 

 

 

 

 

★ 超初心者向け「話せる」を実感できる英会話教材 ★【スピークエッセンス】

se-01

 

 

 


◇【マスコミからも注目! 最近の掲載記事】

なぜ英語を「話せない」?たった7カ月で英語が話せる画期的教材!既存教材の盲点克服

2015年3月 ライブドアニュース 

http://news.livedoor.com/article/detail/9950712/

英語得意に

2015年4月 産経新聞 

http://kazuhiroikeda.com/blog/post-1069.html

●ラジオゲスト出演

2015年5月 ラジオ関西 「三上公也の情報朝イチ!」 

https://www.youtube.com/watch?v=j9vhKSNBHp8

“大人の日本人”に合ったストーリー式英単語記憶法

2015年6月 ダイヤモンドQ 

http://kazuhiroikeda.com/blog/post-1134.html

TOEIC満点でも英語が話せないのはなぜ? 言語学者がたどり着いた英会話学習「6つの実践法」とは

2015年8月 現代ビジネス 

http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44520

英語が苦手な人必読! 「日本語で覚える英語」があなたを救う!?

2015年11月 プレジデントオンライン

http://president.jp/articles/-/16714

 

★ 2015年10月~ 日経ビジネスオンライン連載中 ★  http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/author/15/093000040/「日本語を活用した英会話習得法」

 


◇関連リンク
池田和弘オフィシャルブログ
(http://kazuhiroikeda.com)

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