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英語の勉強法

スピーキングができないとは言わせない!【コラム(4)】

日本語を活用した英会話習得法
『スピーキングができないとは言わせない!』
秘訣は「検索力」と「リスニングとの結合」だ
(この記事は日経ビジネスオンライン 2015年11月14日に掲載された池田和弘氏のコラムです)

 

前回は、リスニングとスピーキングを区別することの大切さについてお話ししました。
リスニングのテストではそこそこの得点が取れるのに、
スピーキングになるとさっぱりできないというのはよく耳にする話です
リスニングとスピーキングというのはそのぐらい異なった能力です。
ですから、それぞれに合った学習をしないとなかなか成果が出ません。

もう1点お話ししたのは、テストとトレーニングを区別することの大切さです。
例えば、テストが四択問題だからといって、
四択問題を解く必要はどこにもありません。
むしろ、これは逆効果になることが多いのです。
テストは実施する側が作りますので私たちは何もできません。
しかし、トレーニングは何をやろうと“こちらの勝手”です

ですから、自分が一番気持ちよくできて、成果を感じる方法で勉強すればよいのです。
そうした形で本物の英語力を身に付けていけば、
テスト問題も自然に解けるようになります。
実際にそういう勉強の仕方をして英語力をグングンと伸ばした人がいますので、
いずれ機会があればご紹介します。

 

リスニングとスピーキングはどう違う?

リスニングとスピーキング
この2つの能力の違いを一言で言い表すことのできるキーワードがあります。
それは「検索力」です。

リスニングの場合には、相手が勝手に言いたいことをまとめ、
それを適切な英文にして話してくれます。
こちらはそれを受け取るだけで良いので、音さえ聞き取れ、
意味が分かればそれで何の問題もありません

ところが、スピーキングでは、私たちの方が考えをまとめ、
記憶の中から適切な表現を探し出して発信しないといけません
つまり、ただ表現を知っているだけでは駄目で、それを瞬時に「検索」して
引き出せないといけないのです。

あなたにはこんな経験がありませんか。
いろいろな教材で学習してきて、会話表現についてはそこそこ知っているのに、
なぜかそれが必要な場面で口から出てこない。
しっかりと音読練習をして、いつでも準備OKのはずなのに、
なぜか適切なタイミングで使えない。
つまり、「知っているはずなのに出てこない!」という体験です。

このような、チグハグな事が起こる理由は、「検索」ができないからです。
例えば、相手が
“When did you go there ?”
と聞いてきて、「7月」と答えたいときに、
1月(January)から順番に数え上げた経験はありませんか(私にはあります)。
また曜日を聞かれて、月曜日(Monday)から
数えたことはありませんか(これも経験があります)。
これと同じことがあらゆる語彙や表現に当てはまるのです。

ではこの問題を解決するにはどうすればよいでしょうか
ここでもやはり「日本語のネットワークを利用する」が正解です。

具体的には、「日本語→英語」の順序で練習することにより、
日本語と英語を結び付けるようにします。
例えば、1年の月の名前を覚えるのであれば、January、February……と
英語だけで機械的に覚えていくのではなく、1月January、2月February……
といったように、必ず先に日本語を言ってから英語を言うようにします。

こうしておくと、「7月」と答えたいときに、
瞬時に日本語のネットワークが起動され、
素早くJulyを検索して口に出せるようになります。
あとは、同じことをほかの語句や表現に広げていけば良いのです。
それだけでスピーキングは圧倒的に強化されます。

 

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まず語彙で勝負する

今、語彙の例をあげて、日本語を活用した「検索力」の大切さについて
お話しましたが、その流れで言うと、スピーキングは
「まず語彙で勝負する」が鉄則です。

滑らかな英文でスラリと答えたいというのは、誰しもが思うことです。
この夢を心のどこかに置いておくことはとても大切です。
しかし、同時にそれを実現することは並大抵ではないという点も
よく理解しておく必要があります。
ここを理解しそこなうと、ほぼ確実に挫折することになるからです。

実際問題としてどうでしょうか。
ぜひ今、自分のスピーキング力がどんなものかチェックしてみて下さい
ちょっとした英文を使おうとすると、たとえ短いものでも、
すぐに時制や三単現の問題などが噴出し、手に負えなくはなりませんか。
間接疑問を含む文章を言おうとすると、あれだけ文法演習したにもかかわらず、
語順に迷ったりしませんか。

でも、がっかりする必要はありません。
外国語を学ぶというのはそんなものなのです。
大切な点は、このような“条件下”でいかにしてうまくコミュニケーションを
成立させるかということです。
コミュニケーションさえうまく行けば、自信もつきますし、
英語を話すことが楽しくなりますので、少しずつ
“ネイティブのような英語”という理想に近づいていくことができます。

さて、ではどこから手をつければよいかとなるわけですが、
その答えが「まず語彙」なのです。

 

語彙を使った会話例

先ほどの「7月」の例ではありませんが、
語彙が貧弱であるとどうにもなりません。
例えば、相手に“What do you think ?”(どう思いますか)と聞かれて、
「複雑な気持ちです」と言いたいとしましょう。
これはよくあるシチュエーションだと思いますが、
答えることができるでしょうか。

このような場合には、一言、“Mixed feelings.”といえば、
相手は100%クリアーに理解してくれます。
ちなみに、mixed feelingsというのは、いろいろなfeeling(気持ち)が
ミックス(mix)されているという意味です。
面白いですね。
こう理解しておいて、「複雑な気持ち→mixed feelings」の順序で練習しておくと、
明日からでも使えるようになります。

もう1つ例を挙げておきましょう。
例えば、あなたが「美味しい店がある」と外国人に誘われて、
一緒に食事をしたとします。
もちろん、相手は“How do you like it?”と聞いてくるでしょう。
おいしければ“Very good.”と言えばそれでハッピーエンドですが、
かなり強烈な味がして答えに困った場合にはどう言えばよいでしょうか。
一言、“Interesting.”(興味深い味ですね)といってニコッとすれば丸く収まります。
このように、たった1語あるいは2語で会話が成り立つ例は無数にあります

逆に、いくら文法や語法に詳しくても、キーとなる単語や語句を知らないと、
いとも簡単に“撃沈”されることになります。
これは、英語を話せるようになればなるほど痛感する点です。
「英語は語彙に始まり語彙に終わる」
―― もし、あなたの周囲にこう言っている人がいるとすると、
その人は「分かっている人」です。

 

こちらから話す場合のテクニック

さて、ここまでのところでは相手の質問に答える例を挙げましたが、
こちらの方から話しかける場合も、ポイントはやはり語彙で、
「1語2語で具体的に聞く」ようにすることで
コミュニケーションは格段に取りやすくなります

例えば、When?、What?、Where?、How?などを使ったり、
“This Sunday, OK?”と言ってみたりするわけです。

ほかにも、食べ物がおいしいかどうかを聞く場合なら、
“Good?”、“Interesting?”、“Awful?”と、
具体的に聞いていけばよいのです。

人間には推測する力がありますし、会話には流れというものがありますので、
すべてを「文の形」で言わなくてもコミュニケーションは十分に成り立ちます

ちなみに、“Awful?”というのは「最悪?」という意味で、
ここではジョークとして使っています。
これを聞けば、ネイティブスピーカーも思わず笑い出すはずです。
このように語彙が豊富であれば、ジョークも速攻でできてしまいます

このようにして、「スピーキングは1語か2語でいいんだ!!」とハラを括り、
日本語→英語の順序でどんどんと語彙を増やしていくと、
「知っているのに言えない!」や
「何をいえば良いか分かっているのに単語を知らない!」という
悔しい場面が劇的に減り、英会話が楽しくなります。ぜひ試してみて下さい。

 

英文は、まず5~7語までの決まり文句で攻める

語彙の学習が進み、1語、2語を日本語→英語の順序で覚えることの
威力が分かりはじめたら、今度は英文に挑戦していきましょう。
ただし、ここでも5~7語程度のシンプルな英文で攻めます。

例えば、誰かが新作映画を見に行ったときなどによく使う
“How did you like it?”(どうだった?)という表現や、
“What brings you to Japan?”(どうして日本に来たのですか?)などの
決まった表現を「日本語→英語の順序」で覚えていくわけです。
このときに大切なことは、文法的なことを一切考えず、
英文を「完全な決まり文句」として覚えるということです。
こうしておくと、必要な表現を瞬時に的確に使えるようになります

最後に、語彙・語句・決まり文句を効果的に覚えるコツについてお話します。
コツと言っても、日本語→英語の順序で覚えればよいわけですが、
じつはこれを4~5倍に加速するテクニックがあるのです。
それは「リスニング練習との結合」です。

第1回で、語彙を1週間に150~200語前後の速度で爆発的に増やす方法
をご紹介しました。
その秘密は日本語の巨大なネットワークを活用することにあったわけですが、
同じように、スピーキング強化のために語彙・語句・決まり文句を覚える場合にも、
1つひとつをバラバラに覚えるのではなく、何らかのネットワーク、
何らかの意味の流れを利用し、それに結び付けて記憶すると
爆発的な効果が期待できます
では、いったい何と結びつければ良いでしょうか
その答えは、「リスニングの素材」です。

リスニングの学習アドバイスでは「答えを攻めろ」といいました。
もし、それを実行したとすると、あなたの頭の中には
「聞いて分かる英文」が猛烈な速度で増えます
しかも、それは日本語と密接に関連づけられています
つまり、しっかりとしたネットワークができるわけです。
これを利用しない手はありません。

そこで、リスニングでマスターした英文を利用し、
その中からスピーキングで使いたい語彙・語句・英文を抜き出して、
日本語→英語の順序にして覚えるようにするのです。
リスニング素材の中に適当なものが無い場合にも、
その話題と関連する語彙なり決まり文句なりを調べて覚えるようにします。
とにかく、なるべく関連づけて、ネットワーク的に覚えるようにするわけです。

私ははじめ、リスニングとスピーキングを区別するべきだと言いました
そして、その上で、それぞれについて効果的な学習方法をご紹介しました。
ところが、このようにして切り離してバラバラにした学習を、
もう一度組み合わせ直すと、そこに強力な相乗効果が生まれ、
学習が加速されるのです。

ここまで考え抜いて工夫すると、文字通り、「次元の違う世界」が見えてきます。
その世界では、これまで不可能だと考えていたことが、次々と実現していきます。
私たちの潜在能力はまだ30%程度しか引き出されていません。
昨今は英語にたいする関心がますます高まっていますが、
このレベルにまで工夫された書籍や教材を見かけないのは残念なことです。

次回は、スピーキングについてもう少しご説明し、
ライティングについても触れていきたいと思います。

 

参照: 日本語を活用した英会話習得法
『スピーキングができないとは言わせない!』
秘訣は「検索力」と「リスニングとの結合」だ
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/15/093000004/110900004/

 

著者: 池田 和弘(いけだ かずひろ)
大阪観光大学国際交流学部教授
京都大学卒業後、通訳養成学校を経て、専門学校や予備校での教鞭、執筆活動を行う。
ベストセラーを記録した著書は数々。その後、大阪大学大学院言語文化研究科にて、
理論的ベースを固め、同大学工学部工学研究科で原子力、ナノフォトニクスの
ESPプログラムを開発・実施。「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、
レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など
最新の知見を駆使して、「言語学×脳科学」の視点から学習教材を開発できる
日本有数の英語学習法のスペシャリストである。

 


◇主な著書

『こうすれば速く覚えられるTOEICテストの英単語』(日本実業出版社) 2010

 

『英語がスラスラ分かるようになる魔法の本』(日本実業出版社) 2009

 


◇開発教材

★ 初心者向け「聞けて話せる」実践英会話教材 ★【リッスントーク】

リッスントーク

 

 

 

 

 

★ 超初心者向け「話せる」を実感できる英会話教材 ★【スピークエッセンス】

se-01

 

 

 


◇【マスコミからも注目! 最近の掲載記事】

なぜ英語を「話せない」?たった7カ月で英語が話せる画期的教材!既存教材の盲点克服

2015年3月 ライブドアニュース 

http://news.livedoor.com/article/detail/9950712/

英語得意に

2015年4月 産経新聞 

http://kazuhiroikeda.com/blog/post-1069.html

●ラジオゲスト出演

2015年5月 ラジオ関西 「三上公也の情報朝イチ!」 

https://www.youtube.com/watch?v=j9vhKSNBHp8

“大人の日本人”に合ったストーリー式英単語記憶法

2015年6月 ダイヤモンドQ 

http://kazuhiroikeda.com/blog/post-1134.html

TOEIC満点でも英語が話せないのはなぜ? 言語学者がたどり着いた英会話学習「6つの実践法」とは

2015年8月 現代ビジネス 

http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44520

英語が苦手な人必読! 「日本語で覚える英語」があなたを救う!?

2015年11月 プレジデントオンライン

http://president.jp/articles/-/16714

 

★ 2015年10月~ 日経ビジネスオンライン連載中 ★ 
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/author/15/093000040/「日本語を活用した英会話習得法」

 


◇関連リンク
池田和弘オフィシャルブログ
(http://kazuhiroikeda.com)

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